行政書士資格をどう活かす? 独立・開業編


行政書士資格を取得後すぐに独立開業を考えているのですが、その具体的な流れについて教えてください。
他の士業に比較すれば行政書士資格での独立開業の手続はそう難しくはありません。肝心なのは、独立後いかに案件を獲得するかです。
開業してすぐに仕事が入ってくることはなかなかないので、まずは独立開業のメリットとデメリット、双方をしっかり認識しておきましょう。


行政書士資格の独立は難しいって本当?

行政書士は稼げない?

インターネットで情報収集をしていると、「行政書士は稼げない」などの記事に出くわすことが多々あります。

しかし、そうした記事をたくさん見ていく中で、独立開業して仕事を軌道に乗せるために必要な、重要な視点が欠けていることに気づきます。
それは、「資格はもともと可能性を広げるために存在するのであって、その資格に縛られるために存在するものではない」という視点です。

行政書士資格はあなたの可能性を広げるためにある

そもそも、あなたが行政書士資格を取りたいと思った動機をもう一度思い出してみてください。

単に履歴書を彩るために使いたいという方を除いては、行政書士資格を使って独立開業するなり、転職するなりして、仕事の幅を広げる、あるいはやりたい仕事に就くために取得を志したはずです。

そうであれば、自分が行政書士になって行う仕事を「これまでの行政書士がやってきた仕事」に限定して活躍できるフィールドを狭くしてしまうのではなく、ご自分の得意・興味関心のある分野の中で行政書士資格とその知識を活かして勝ち残っていけるマーケティング活動を行っていくことが出来るはずです。


独立・開業までの流れ

開業資金の工面

独立開業にあたりもっとも大きな課題の一つが開業資金です。

行政書士会への登録だけでも約30万円ほどかかり、その後も事務所の維持費や必要経費などが必要になるので、トータルで合計50万円~100万円ほどは必要になるでしょう。事務所の維持費を抑えるため、はじめは自宅で開業されるという方も多いです。

開業後、すぐにたくさんの仕事が舞い込んでくるというケースは多くはありません。初めの数ヶ月は仕事が軌道に乗らず、赤字も引き受けなければならない可能性が高いです。そのため、ある程度の生活費も前もって工面しておく必要があります。

創業期には、補助金や利率の低い融資など用意されています。経済産業省系、厚生労働省系、自治体系、など、それぞれご自身のスタイルに合うものを探してみるのも、まとまった資金を獲得する手段となり得るでしょう。

行政書士開業の手続(おおまかな流れ)

行政書士の事務所開設の流れは次のとおりです。

  1. 事務所所在地を決定し、事務所名も決める
  2. 都道府県行政書士会への登録申請のため、書類を作成する
  3. 事務所ホームページや名刺、開業挨拶状などを用意する
  4. 都道府県行政書士会に書類を提出する
  5. 登録証授与式に参加する
  6. 税務署に開業届を提出

差別化を図るため、専門分野を掲げよう

たしかに、行政書士が取り扱うことのできる業務は多岐にわたりますが、そもそも行政書士の数が多いため、「なんでもやります」ではなかなか仕事が舞い込んでくることはありません。

そこで、他の行政書士との差別化を図り、依頼者が仕事を頼みやすくするために、「この分野は誰にも負けない」と胸を張って言える、あなたの専門分野を決めましょう。

ちなみに行政書士の掲げる専門分野としてポピュラーなのは、①建設・産廃、②運輸・交通、③外国人在留資格、④風俗営業、⑤法務・会計、⑥会社法、⑦遺言・相続、⑧著作権などです。

もちろん、ここに掲げたものに限らず、また複数の分野を掛け合わせることで、他の行政書士が持たない付加価値を作り出すことも可能です。

仕事が入ってきたら

あなたの地道な営業努力が実を結び、ついに初の仕事依頼がやってきました。

せっかく入ってきた初仕事、次につなげるためにも絶対に失敗できないと肩肘張ってしまうのはわかりますが、何もかもすべてが上手くいくわけではありません。

失敗できないからとガチガチになるより、わからない部分はクライアントに聞きながら、柔軟に対応して仕事を進めていきましょう。

失敗の経験も含めての初仕事です。失敗は次に活かせばいいので、誠意のある人だなとクライアントに評価してもらえるような仕事をしましょう。


開業するメリット

ここまで読んで、すぐに独立開業するかを悩む方のため、ここで独立開業のメリットとデメリットをご紹介します。

自分のペースで仕事ができる

定時出社やサービス残業といった会社特有の縛りにとらわれず、あなたの生活スタイルに合わせた自由な働き方が実現できます。
もちろん、自営業である以上仕事の責任はすべて自分が負うことになるので、会社でいうところの残業のようなものをしなければならない場面は多々あります。しかし、その場合でも、仕事をカフェや自宅などに場所を移してこなすことができます。

定年退職がない

行政書士は士業なので定年はなく、働こうと思うなら何歳まででも働けます。そして、士業としての実績と信頼は働いた年数に応じて積み重なっていくものなので、長年のキャリアと信用、スキルを活用した安定的な収入が望めます。

会社を定年退職して仕事のやりがいがなくなった後、実りの多くない老後を過ごしているという方もいらっしゃいます。年を取るごとにますます仕事が充実する行政書士であれば、そうした悩みとは無縁の老後を迎えることができるでしょう。

セミナーや講演、出版による自己実現

行政書士として仕事をこなし、実務家としての専門性を磨いていると、あなたの積んできた経験を書籍として出版したり、セミナーを開催してみないかとの声がかかることもあります。こうした個人活動の収益化は、今なお副業禁止の企業の多い日本で働くサラリーマンにはなかなか難しいものです。

また、こうした活動は収入アップの手段としてだけではなく、形としてあなたの名前が残ることになるため、自己実現にもつながります。


開業するデメリット

最初の仕事を取ってくるまでのハードルが高い

独立開業する際にはウェブサイトを立ち上げたり、名刺や開業挨拶状を配るなどして、事務所の宣伝活動に努めるのは誰もがやることです。しかし、それだけの宣伝を行ってもなお、残念ながら最初から行政書士としての仕事がたくさん転がり込んでくることはないのが、実情です。

もっとも、最初の仕事をどうにか受注し、その仕事を完遂すれば、そこに「この人に任せれば安心できる」という信頼が生まれます。信頼が生まれればまた次の仕事が入ってきやすくなるので、やはり「はじめが肝心」ということになります。

通常業務と事務所経営の両立が大変

行政書士は実務家であると同時に事務所の経営者です。ただ与えられた仕事をこなして収入を得るだけというわけにはいかず、事務所の経費や各種税金に関する業務も同時にこなしていかなければなりません。

ただし、行政書士としての仕事がある程度軌道に乗り、金銭的余裕が生まれてきたら、事務所スタッフを雇う、税務を税理士に外注するなどの方法により、事務所経営の負担は相当程度緩和することができます。

収入減のリスクと常に隣り合わせ

常に上司から仕事を割り当てられるサラリーマンと異なり、行政書士は自分で仕事を取ってこなければなりません。仕事が取れなければ即、自身の収入が減ることを意味します。

そのようなことにならないために、人脈作りや宣伝活動を怠らないことが大事です。また、早いうちから「これだけは他の行政書士には負けない!」という、あなた自身の専門分野を見つけ、実務能力に磨きをかけておくことで、他の行政書士との差別化を図ることが出来、その専門分野の仕事が舞い込みやすくなります。


まとめ

ここまで見てきたように、行政書士として独立・開業することにはたしかに大きなメリットがありますが、その反面デメリットも無視できないものがあります。

しかし、こうしたデメリットは、適切な営業努力によって十分克服可能です。向こう見ずな開業をせず、十分な分析のもと収入が安定する見通しをもった上で開業すれば、あなたの可能性は行政書士資格によってどんどん広がっていくことでしょう。

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