司法試験と司法書士。似て非なる試験の仕組みと得られる資格。

同じ法律系のジャンルであり、「司法」という名称も付くことから、司法試験と司法書士試験は混同されやすい傾向にあります。ふたつを細かく比較してみると、似ているようでまったく異なることが分かるでしょう。今回は、司法試験と司法書士試験の違いについて、さまざまな視点から取りあげてみます。

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司法試験と司法書士試験の違い

司法試験と司法書士試験の違いを、試験科目・試験方法・合格率の違いからみていきます。


試験科目の違い

司法試験と司法書士試験は、試験科目が重複する部分も少なくありません。重複する科目は、「憲法」「民法」「刑法」「商法」「民事訴訟法」で、出題形式や分析の視点は異なるものの、双方の試験で必須科目となっています。

司法試験の特色は、上記の科目に加え、「刑法」「刑事訴訟法」が出題されることです。実際の刑事事件を取り扱うことになる法曹は、刑法・刑事訴訟法に関する法令や条文、判例知識をどのように生かすかが重要。論文試験では、具体的な事件を想定し、どう処理すべきかを文章で表現することになります。

一方、司法書士試験でカギとなる科目は「不動産登記法」「商業登記法」「供託法」「司法書士法」で、登記・供託を独占業務とする関係上、これらの法的知識が大きく問われます。条文の正確な理解だけでなく、実際の業務でどのようなかたちで使われるのかといった応用力も試されます。


試験方法の違い

司法試験が実施されるのは7月。3日間の論文式試験および短答式試験で、計4日間のスケジュールで行われます。対して司法書士試験の実施時期は7月(択一試験と書式試験)・10月(口述試験)です。7月の試験は午前と午後の2部制で行われます。

司法試験でも特にハードなのは、3日間かけて行われる論文試験でしょう。正確な分析力と、スピーディな論点整理、精緻な論理構成力が求められます。問題文だけで数ページにも及ぶといわれますので、根気よく文章を読み込んで素早く理解する高度な読解力も欠かせません。

司法書士試験にも、問題文を読んで文章で説明する記述式試験があります。不動産登記法や商業登記法の条文知識を生かしながら、実際の登記申請書作成について詳しく述べたりする問題です。こちらも文章読解力や法令に対する深い知識と分析力が求められます。

司法試験の論文試験との違いは、問題に対して答えのフォーマットが存在することです。つまり、解答者は問題に対して、どの答えのフォーマットが適しているか、その選択さえ間違えなければ正確な解を導き出せるでしょう。論文試験の場合、決まった書式というものはなく、いかに核心を突く論点を持ち出して論理構成するかが大事となります。


どちらが難しい?

司法試験と司法書士試験は、法律系資格試験の中でも難易度の高さはツートップ、といわれるくらい、いずれも合格を勝ち取るのが非常に難しい試験です。合格率をみてみると、司法試験の近年の合格率は約23%、司法書士試験は約3%です。

この数字だけみると、「司法書士試験のほうが難しいの?」と思われるかもしれません。ただし、司法書士試験は司法試験と異なり、誰でも受験できる試験。これまで法律にまったく触れたことのない初学者の受験者もたくさんいます。司法試験より受験しやすく、さまざまな方が挑戦している受験環境が、合格率にも反映されているといえます。

一方、司法試験の受験者というのは、法科大学院や司法試験予備試験といった難関をくぐり抜けてきた、一部の人々です。つまり、法律についてある程度理解を深めている受験者が多いことを差し引いて合格率をみる必要があります。この点を考えると、合格率23%という数字は司法書士試験と比べ、決して高いとはいえないでしょう。


合格後のルートは?

司法書士になるには、試験合格後に行われる新人研修を修了する必要があります。司法試験の場合も、合格しただけでは法曹界で働けません。その後、司法修習と呼ばれる実務研修を1年間受け、修了試験に合格してはじめて裁判官・検察官・弁護士いずれかの資格がえられるのです。

これまでの説明で、司法試験と司法書士試験は、同じ法律系の難関試験でも、まったく異なる制度と仕組みのもと、実施されることがお分かりいただけたでしょうか。ふたつの試験では、受験にいたるルートもまったく異なります。どちらを受験するか迷われている方は、それぞれの試験の特徴を踏まえたうえで、自分の将来にとってもっとも役に立つ資格を選んでください。

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