民法-売主の担保責任
司法試験平成25年 第24問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

売主の担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア.他人の土地の売買において,売主がその土地を取得して買主に移転することができない場合であっても,契約の時に売主がその土地が自己に属しないことを知らなかったときは,売主は,契約の解除をすることができる。

イ.売買の目的物である建物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において,買主がその滅失を知らなかったときは,買主は,その滅失していた部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。

ウ.判例によれば,数量を指示してした土地の売買において数量が超過する場合には,売主は,数量が不足する場合の代金の減額に関する民法の規定の類推適用により,代金の増額を請求することができる。

エ.売買の目的物である土地のために存すると称した地役権が存しなかった場合における買主の契約の解除は,買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

オ.強制競売の目的物である土地が留置権の目的である場合において,買受人は,そのことを知らず,かつ,そのために買受けをした目的を達することができないときであっても,契約の解除をすることができない。

1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ


解答・解説

解答:5

ア 正しい
562条1項が定めるとおり、他人物売買における善意の売主は、契約を解除することができます。ただし、損害を賠償する必要があります。
したがって、記述アは正しいといえます。

イ 正しい
物の一部が契約の時に既に滅失していた場合、善意の買主は、その割合に応じて代金の減額を請求することができます(565条)。
したがって、記述イは正しいといえます。

ウ 誤り
数量指示売買において、善意の買主は、その割合に応じて代金の減額を請求することができます(565条)。
判例は、この規定は数量が不足する場合などにおける売主担保責任を定めた規定に過ぎないことから、数量が超過する場合にこの規定を類推適用して売主が代金の増額を請求することはできないとしています(最判H13.11.27)。
したがって、記述ウは誤っています。

エ 正しい
売買の目的物である土地のために存すると称した地役権が存しなかった場合、買主は契約を解除することができますが(566条2項、1項)、解除は買主が事実を知った時から1年以内にしなければなりません(566条3項)。
したがって、記述エは正しいといえます。

オ 誤り
売買の目的物である土地が留置権の目的である場合において、善意の買主は、これがあるために契約目的を達することができないとき、契約の解除をすることができます(566条1項)。このような「権利の瑕疵」については、強制競売においても同様に解されます(568条1項)。
したがって、記述オは、契約の解除をすることができないとしている点で誤っています。
なお、「物の瑕疵」の場合には、強制競売の場合には準用されていないので(570条)、注意が必要です。



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