経済学・経済政策 平成23年 第4問 - 貨幣市場

ピックアップ過去問解説

問題

貨幣市場に関する説明として最も適切なものはどれか。

ア 古典派の貨幣数量説では、貨幣需要は投機的需要のみであると考える。

イ ハイパワードマネーは、公定歩合の引き下げ、売りオペによって増加する。

ウ マネーストックのうちM1は、現金通貨と預金通貨から構成される。

エ 流動性選好理論では、貨幣市場において超過需要が発生する場合、債券市場も超過需要の状態にあり、それは利子率の上昇を通じて解消されると考える。


解答・解説

解答:ウ

 マクロ経済学から、貨幣市場に関する出題です。貨幣市場に関する理論の基本を覚えていた人は、正解できる問題です。

 順番に選択肢を見てみましょう。

 選択肢アは、古典派の貨幣数量説に関する記述です。

 貨幣の投機的需要は、ケインズ派の考えです。投機的需要の考え方では、国民所得が増えた場合は、取引需要が増加し、貨幣需要が増加します。一方、利子率が増えた場合は、資産需要が減少し、貨幣需要が減少します。このように、貨幣需要は、国民所得と利子率で決まる関数となります。このような貨幣需要関数は、ケインズ型貨幣需要関数と呼ばれています。

 古典派の貨幣数量説では、投機的需要は考慮されていません。よって、アの記述は不適切です。

 選択肢イは、ハイパワードマネーに関する記述です。

 ハイパワードマネーとは、中央銀行がコントロールできる、現金通貨と準備預金のことです。ハイパワードマネーは、「マネタリーベース」や「ベースマネー」と呼ばれることもあります。

 ハイパワードマネーは、主に2 つの方法により操作されます。

 1つめは、公定歩合政策です。

 公定歩合政策とは、中央銀行が、民間銀行に貸し出しを行うときの基準金利である公定歩合を変える政策です。ハイパワードマネーは、公定歩合の引き下げによって増加します。

 公定歩合を引き下げると、民間企業は中央銀行からの借入を増やす行動を取ります。民間企業が借入を増やすことにより、中央銀行からの貨幣が流れることで、ハイパワードマネーが増加します。

 2つめは、公開市場操作です。

 公開市場操作とは、中央銀行が、金融市場で有価証券(国債や手形)を売買することで、マネーサプライに影響を与える政策です。ハイパワードマネーは、買いオペによって増加します。中央銀行が有価証券を購入すると、購入代金の分貨幣が民間へ流れ、ハイパワードマネーが増加します。よって、イの記述は不適切です。

 選択肢ウは、マネーストックに関する記述です。

 日本銀行によって公表される、貨幣供給量の統計をマネーストック統計と言います。マネーストック統計では、貨幣としてどこまでの金融商品を含めるかや、集計の対象となる金融機関の範囲によって、「M1」、「M2」、「M3」、「広義流動性」という統計があります。

 「M1」とは、現金通貨と預金通貨の合計です。よって、ウの記述は適切であり、これが正解となります。

 参考として、残りの選択肢も見ておきましょう。

 選択肢エは、流動性選好理論に関する記述です。

 流動性選好理論では、貨幣市場において超過需要が発生している場合では、人々は債権ではなく、安全で便利な貨幣を持とうとしていると考えられます。よって、債権は超過需要ではなく超過供給の状態となります。

 以上より、ウが正解となります。


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