技術士が求められること

技術士、あるいはエンジニアの業務なんて世の中の人はほとんど知りません。

2017/08/31

技術士が求められること

前回まで口頭試験に対する具体的な準備を説明しました。

当たり前だと思うでしょうが、練習を繰り返した人の口頭試験対応はすぐに分ります。
そこにはプレッシャーを跳ね返す「自信」があるのです。
それは試験委員にも伝わります。
継続的に研鑽してきた結果ですから試験委員も評価せざるを得ません。

ここで、技術士になるということをもう一度考えて見ましょう。

技術士、あるいはエンジニアの業務なんて世の中の人はほとんど知りません。

電車が安全に時間通りに運行され、電気が供給されても社会ではそれが当たり前です。
ときどき、それが出来なかったときにニュースになるのです。

イギリス人やドイツ人でさえ、「東京で電車が時間通りにこなかったら、先ず自分の時計を疑った方が良い」などと言うジョークを言います。
この正確さを支えているのが、電車の運行システムに関わるエンジニアであり、その中には技術士もいます。

まさに、黒子として世の中を支えているわけです。

正常に動くのが当然、少しでも問題が起きればニュースになってしまう。
そんな仕事ですが、それでも自分のアイディアによって安全性や利便性が高まり、社会全体の生産性が高まることに大きな満足があります。

口頭試験用の動画講座の中でも説明しましたが、沖縄工業高等専門学校の大石敏広准教授が「技術者倫理の現在」(2011年4月20日発行)のなかでこんなことを書いています。(途中を略しています)

科学技術は人類に甚大な危害をもたらす可能性がある。

科学技術は社会的な実験である。

科学技術の分業化・専門化が進み、技術者への依存が高まっている。

④技術者は、プロフェッションとして社会と契約している。

上記を根拠に言えることは
技術者は、もし社会を維持、発展させて、その社会の中でプロフェッショナルとして生きていこうとするならば、倫理的責任を負うべきである。

エンジニアの最高峰資格である、技術士を目指すと言うことはまさにプロフェッショナルエンジニアとしての覚悟を決めることを求められるのです。

なぜ、倫理的な責任を負うべきなのか?

その一つの答えが上記の本に書かれています。ぜひ読んでみて下さい。

また、その責任と覚悟の中で業務を行うことは、厳しくもあり楽しさもありです。

誰でもできることを気楽に行うより、人にできないことをしっかり行った方が大きな満足感を得られるはずです。

日頃の業務を行いながら、試験勉強を続けるのはとても大変なことですが、なんとか乗り越えて下さい。
合格したときの喜びは本当に大きなものになるはずです。



匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、通勤講座受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。