企業経営理論 平成20年 第7問 - 技術イノベーション

ピックアップ過去問解説

問題

 技術イノベーションと戦略の関係に関する記述として、最も不適切なものはどれか


ア 開発時の技術が顧客の支持を受けるほど、その後の技術発展の方向が制約されやすく、技術分野が固定化されて企業の競争優位が失われていく。

イ 技術優位と市場ニーズが合致するとは限らないので、高機能の先端技術製品が技術的に劣る製品に敗れるという「ダーウィンの海」と呼ばれる現象がしばしば起こる。

ウ 自社技術の拡散スピードが速い場合、技術優位性は守りにくくなるが、先発者利得を獲得したり、累積生産量を大きくして製品の差別化を持続的に確立することができる。

エ 市場ニーズに適合的な技術に基づく製品は、企業の成長に貢献すればするほど、革新的な技術の製品が新しい市場を築き始めると、急速に市場を失うことがある。

オ 部門内に蓄積された大量の情報や暗黙知などは、技術部門と営業部門の交流を阻むので、市場ニーズから遊離した製品が開発されやすくなる。



解答・解説

解答:ウ

企業経営理論から、技術イノベーションに関する問題です。

イノベーションとは、「革新」ということを表します。ただし、単に新しい技術を発明したり、新製品を開発するだけでなく、それが顧客や社会に新しい価値を提供するということまで含めた考え方です。

企業がイノベーションを生み出すことができれば、顧客に新しい価値を提供できるため、競合他社よりも優位に立つことができます。イノベーションには、製品自体の革新だけでなく、生産工程の革新も含まれます。

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、イノベーションのジレンマ(革新者のジレンマ)という現象を表しています。イノベーションのジレンマとは、前の世代のリーダー企業は、次の世代の破壊的イノベーションに対応できないという現象のことを指します。

よって、記述は適切です。

選択肢イでは、ダーウィンの海という言葉が出てきました。ダーウィンの海というのは、ベンチャー企業で良く使われる言葉で、技術開発に成功しても事業が成功するまでには、市場で激しい生存競争がある事を表しています。

技術が優れていても、必ずしも成功するわけではなく、技術に劣った競争相手(しかし他の要素で優れている相手)に敗れてしまうこともあり得ます。

よって、記述は適切です。

選択肢ウは、「自社技術の拡散スピードが速い」という意味が分かるかがポイントになります。

「自社技術の拡散スピードが速い」というのは、自社で開発した技術が、競合他社などによってあっという間に模倣されてしまうことを表します。

例えば、かつての日本の先端技術も、近年ではアジア諸国の企業に模倣され低価格競争になっているケースが多くあります。

このような状況では、先発者利得はあまり獲得できません。(後発者によって浸食されていると言っても良いでしょう)
また、累積生産量を大きくしても、製品の差別化は持続できず、同質的な低コスト競争になりがちです。

そのため、記述は不適切で、これが正解です。

選択肢エは、イノベーションの不連続性に関する内容です。

既存の製品を継続的に改良することで成功を収めた企業(持続的イノベーションによって成功した企業)は、次世代の革新的なイノベーション(破壊的イノベーション)に対応できず、市場を失う場合があります。

よって、記述は適切です。

選択肢オは、市場ニーズと製品開発に関する記述です。

市場ニーズに合致した製品を開発するには、市場ニーズを営業部門などが的確にくみ取って、それを正確に技術部門に伝達する必要があります。

ここで、伝達する情報が多すぎたり、暗黙知になっていたりすると、技術部門が、市場ニーズを的確に理解できなくなりがちです。
情報が多すぎる場合は、何が重要なのかが分かりにくくなります。

暗黙知というのは、形式知と対比される言葉で、言葉に表されていない知識を指します。(例:個人の経験など)

暗黙知はアイデアのきっかけになるなど、組織にとって重要ですが、暗黙知を形式知化するなどの工夫をしないと、他部門に伝達するのは難しくなります。

よって、記述は適切です。

今日の問題は、イノベーションの理解が問われる問題でした。



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 1-4 現代の戦略 - イノベーション

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